グローバルメニュー

フォントサイズ

  • フォントを小さくする
  • フォントを標準サイズに戻す
  • フォントを大きくする
「楽」トップ > 伝統芸能の楽しみ方 其の参「装束」

伝統芸能の楽しみ方 其の参「装束」

「能面」「四拍子」と続けてきた能シリーズも今回で最終回。今回は、能の衣装「装束(しょうぞく)」を紹介します。

装束は、着付けや色などで登場人物の身分や年齢などを表現する重要な演出ツール。本誌では、着物の色の違いで年齢を表す唐織をお話ししましたが、ここでは付け方や着物の種類による役の演じ分けについて紹介したいと思います。

「狩衣-かりぎぬ-」


水色狩衣(みずいろかりぎぬ)
生地は金襴の織り込みのある袷(あわせ)や単衣の絹織物です。付け方は腰帯というベルトでたくし上げて結わえて付けます。神様の曲でワキ方又は後シテ(後半の主役)に着用されます。能の「高砂」「養老」「融」などで使用。

「水衣-みずごろも-」


草色水衣(くさいろみずごろも)
生地は薄絹の一枚仕立てで、おおむね男女問わず外出着を現す衣装として使用されます。仕事中を表現するときは、「肩上げ」といって両肩をつまみ上げる着方をします。そして、能の「高砂」ではウエストの位置を腰帯(紐)で結わえる着方をし、また能の「隅田川」「松風」ではざっくり羽織る着付け方をします。

「厚板-あついた-」・「唐織-からおり-」


白地橘厚板(しろじたちばなあついた)

紅入唐織(いろいりからおり)
生地は硬めの絹織物で紋様は織り込みと刺繍の両方があります。上半身だけを着付けるときはブラウスのような感覚ですが、時に着流して着付けるときはワンピースのようになります。これらは曲目や男女などによって着方を違えます。厚板は「田村」「鵜飼」、唐織は「熊野」「千手」などで使用。

「舞衣-まいぎぬ-」


赤地舞衣(あかじまいぎぬ)
生地は薄絹に金糸の織り込み模様で、能の後シテ(後半の主役)の天人や菩薩といった位の高い登場人物に着用され神々しい舞を舞います。「羽衣」「当麻」「誓願寺」などで使用。
(注)能ではそのほかに面、頭髪、冠物、扇などの持ち物、他総合されて舞台に登場していきます。その他伴奏の囃子方やコーラスの地謡方で舞台を作り上げます。

狂言装束

「肩衣-かたぎぬ-」




生地は、麻でいろいろな模様を染め抜いています。肩の張りには、鯨の髭を使用。庶民の暮らしの中で目にするものが描かれ、カブや貝などの大胆で遊び心がある斬新なデザインが特徴です。