能シリーズ2回目となる今回は、「楽器」を紹介。能で用いられる楽器は、笛・小鼓・大鼓・太鼓の4種類のみで、これを「四拍子(しびょうし)」といいます(演奏者をいう場合もあります)。
本誌では、四拍子の中から、形は似ていても音質も演奏方法も異なる「小鼓」と「大鼓」を掲載。ここでは「笛」と「太鼓」について紹介したいと思います。
能で用いられる楽器は、4つの内3つが打楽器で構成されています。これは、能の音楽的特徴が現れているところ。能の楽器を四拍子と呼ぶように、“拍子をとる”楽器が3つあるのは、メロディよりもリズムを重視する音楽といえます。
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| 能で用いる笛は、「能管」と呼ばれ、四拍子の中で唯一の旋律楽器です。しかし、一般的な笛のように旋律を奏でるものではなく、強い息づかいでリズムを刻んで演奏するように作られています。そのため、多くの種類がある横笛の中でも製作方法は特別。歌口(うたくち)と指孔の間の管内に、細い竹が1本はめ込まれています。それは「ノド」といわれ、鋭く硬い高音を出すためのもの。また、素材は煤竹(すすだけ)といわれるいぶされた竹を材料とし、農家の天井などで50年から100年近くいぶされたものがもっとも優れているといわれます。 |
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| 太鼓は、欅(けやき)をくり抜き胴を作り、鉄製の輪に牛の皮を張り調緒(しらべお)で組み、台に掛けます。太鼓は、基本的に小鼓や大鼓と同じ構造ですが、表革の中央部分のバチが当たる所に、バチ革と呼ばれる鹿革を小さな円状にしたものが張ってあることや、たらい型で大きいことが特徴です。打つときは、2本のバチを両手に持ち、打ち下ろすように演奏し、バチの上げ方の高低で音色を使い分けます。演目によって、太鼓が入らないものもあります。 |