敷居が高く感じられる能の世界でも、能に使う道具などを知ることで身近に感じられたりするもの。ここでは、教育文化会館情報誌「楽」の「伝統芸能の楽しみ方」で取り上げた「能面」について、本誌で紹介しきれなかった雑学的なお話を紹介します。
能面は、男面(おとこめん)と女面(おんなめん)の2つの系統があり、全て合わせると200種類以上にもなるといわれています。
それぞれをさらに分類すると、男面は若年面、壮年面、老年面、鬼神面、特殊面の5系統に、女面は若年面、物狂面、中年面、老年面、霊的面、鬼神面の6系統になります。
本誌では、女面だけ紹介しましたが、ここでは男面の中から、それもちょっと変わった面を紹介します。
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本誌の表紙にも登場した翁面。能の中でも特別な演目で使用され、神の面と考えられています。顎は切顎(きりあご)になっているのが特徴で、他の面には見られない珍しいつくり。祝典曲「翁」の専用面です。 |
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盲目の面、俊徳丸。この面は、大家の息子だった俊徳丸が、讒言(ざんげん)を信じた父親に家から追放され、悲しみのあまり泣き潰して盲目となり、弱法師と呼ばれる乞食になってしまったという曲に使われます。「弱法師」の専用面。 |
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能では妖精的な意味を持つ獅子口。獅子は空想上の聖獣で、神の使いとされ悪霊を払うと考えられています。演目の中でも豪快で迫力のある「石橋」の専用面。 |
たくさんの種類がある能面の中には、子供から年寄りまでと幅広い年齢に合わせた面が作られています。その中には、黒目の部分が四角く彫られているものがあり、若い年代の面に共通する特徴の一つ。これは、四角い目にすることで活き活きとした活力のある表情をつくるといわれています。また年代が高くなるにつれ、黒目の角に丸みが帯びていくといわれます。
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四角くくり抜かれた黒目は、きりっとした力強い印象に。 |
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丸みを帯びた黒目は、年を重ねた深みのある表情に。 |