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2014.07.07 演フェスとは?」 「短編演劇祭」 「ワークショップ」 公開しました!
2014.05.21 教文演劇フェスティバル2014 WEBサイト プレオープン!

教文演劇フェスティバル2014 短編演劇祭PV【ワナ】、短編演劇祭CM

短編演劇祭 予選出場団体PV/短編演劇祭 決勝出場団体PV



昨年のプロモーション動画「TRY」/KUNIO11『ハムレット』PV


教文演劇フェスティバルとは

毎年夏に札幌市教育文化会館がお贈りする演劇の祭典、通称「演フェス」。演劇を観た事がない人でも十分に楽しめる「短編演劇祭」を中心に、未経験者から経験者まで参加できる各種ワークショップ、注目の劇団の公演も勢ぞろい!今年も親しみやすい内容と料金で、皆様のお越しをお待ちしております!

今年のテーマ「TRY」について

あなたにとっての「ワナ」とは何ですか? 罠?wanna? それとも…?
短編演劇祭では参加劇団によるそれぞれの「ワナ」を上演します。

会場

札幌市教育文化会館
札幌市中央区北1条西13丁目

未就学児のご入場、車椅子にてご来場の方は前日までに教育文化会館事業課までご連絡、ご相談ください。

交通機関

◎地下鉄/東西線「西11丁目」駅(1番出口)から徒歩5分
◎JRバス・中央バス/「北1条西12丁目」バス停から徒歩1分
◎市電/「西15丁目」から徒歩10分

※お客様用駐車場はございません。
 車でお越しの際は、お近くの有料駐車場をご利用ください。

教文演劇セレクション

札幌市教育文化会館では、プロセニアム形式、一部可動式の客席等の劇場機構を備えた大・小二つのホールを活かし、現代演劇の数々を紹介しています。今年度の演劇ラインナップもどうぞご期待ください。

★☆北区AKT STAGE「飛龍伝2014」
大ホール
7月16日[水] 19時開演

杉原邦生演出 KUNIO11「ハムレット」
小ホール
7月24日[木] 19時開演

教文演劇フェスティバル2014「教文短編演劇祭2014」
小ホール
8月16日[土] 14時/18時開演(予選)
8月17日[土] 14時開演(決勝戦)

吹越満演出「ポリグラフ」
大ホール
11月19日[水] 19時開演

教文短編演劇祭2013

上演時間は20分・勝負の行方は観客&審査員投票
札幌の夏を彩る大会が、今年もアツい!!

道内外から集結した8つの劇団が対決する2回の予選で、20分以内の演劇作品を一挙上演!
観客投票+審査員投票を行い、投票数第1位が決勝進出!
決勝戦では、昨年度チャンピオン「yhs」と第19回劇作家協会新人戯曲賞作家刈馬カオス率いるチーム「刈馬演劇設計社」が待ち受ける…制するのは、果たして!?

大会の流れ

[チケット取り扱い]

教文プレイガイド : 011-271-3355 大丸藤井プレイガイド : 011-221-3900
ローソンチケット : 0570-000-777(Lコード 19511) チケットぴあ : 0570-02-9999(Pコード 438-045)

ゲスト司会として、北海道から登場し全国で活躍する育成型フルーツアイドル「フルーティ」メンバー全員が登場!メンバー全員のショートエンゲキも予定しています。
エンフェスのプロモーションビデオ「ワナ」出演中!

ゲスト審査員

橋口 幸絵
[ 劇作家 ・ 演出家 ・ 劇団千年王國代表 ]

劇団旗揚げからほぼ全作品の脚本・演出を担当。 日本演出者協会会員。 札幌大谷大学非常勤講師。 近年は市民ミュージカルや子供オペレッタの演出、NHK・BSプレミアムドラマの脚本など幅広く活動中。 2012年より札幌座のディレクターとして活動を開始し、 若手育成公演の演出を手がける。 また、 自らも役者として出演している。

大石 時雄
いわき芸術文化交流館アリオス 支配人 ]

1959年7月、福岡県久留米市生まれ。 大阪芸術大学芸術学部舞台芸術学科演技演出専攻を卒業。 広告代理店を退職後、1985年5月、演劇ダンスの企画制作会社ヴィレッヂを設立。 伊丹市立演劇ホール、世田谷パブリックシアター、可児市文化創造センター、いわき芸術文化交流館の立ち上げと運営に参加。現在に至る。

平塚 直隆
[ 劇作家・演出家・俳優/オイスターズ

2005年「オイスターズ」結成。 以降全ての作・演出を担当。ライトでドライな不条理系会話劇を得意にしている。 全国の戯曲コンクールで大賞相当3本、佳作5本の記録は国内最多。 演出家としても若手演出家コンクール2010優秀賞、2011最優秀賞を受賞。 劇作家・演出家の登竜門である劇作家協会新人戯曲賞・若手演出家コンクールのW受賞。

予選Aブロック

劇団パーソンズ 【札幌】
『ポイントカードはお持ちですか?』
作・演出:畠山 由貴

なにやっても上手くいかなくて、 情けなくムカツイて普段は飲まない酒飲んで。 煙草切れたからめんどくさいけどコンビニ行って、そしたら今度は店員が訳わかんないこと叫びだして、もう、なんなの、今日厄日? 俺が何したっつうの。 「あなたは何もしていません。 それが問題なんですよ。」そんなの自分で分かってる。
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20分にたくさん詰め込んでいる。短編だけど見ごたえがありそう。20分に収まるのか心配。
人の真情のようなものを、きっちり書き込もうとしているのが、とても好感をもてました。しかしながらコミカルに、面白くしようとする仕掛けが、とっちらかってしまっている印象があります。「コンビ二」の設定ということですが、何だろう。店を外から俯瞰したら面白いなと思って読んでしまいました。ただそこまで劇世界が説明されていないかもしれない、と気づきました。つまり個人的にはお客様ご相談室という設定でよかったのでは?レンタカー受付などが適当と考えてしまいます。P10あたり死ぬ場面からスピード感をもちますが、それは演劇的的効果としては正しいです。しかしそうすると真情の部分が、影を潜めてしまう、そこをどうするのかが課題かもしれないです。優柔不断な性格のアキラの描き方が、モモコのきめ細かい会話のやり取りと比べるとややステレオタイプな気がします。
人生のポイントで最後の買い物をするというアイディアは抜群に面白く、非常に上手くまとまっており作者の豊かな想像力を感じるが、内容が非常に薄い。年間3万人の自殺者と関係者に対峙する覚悟のようなものを感じたい。「ポイント」という、いわば命の価値を問うようなテーマに対し、内容が表面的で残念な印象。全員が悪意の無い「未必の故意」であり、主体性や葛藤が無く自殺したマユが未来のために絵の具を購入する心情の変化などに説得力が無い。ラストが蛇足的。
起承転結がすっきりとまとまっている。テーマ、設定、キャラクター、それぞれの揃え方にクレバーさを感じます。強い意志を持たないことで悪意がなくただ周囲を傷つけてしまう主人公の姿は現代の若者像としてリアルで、それゆえに感情移入も容易で笑って泣けるエンターテイメントとして端正に成立しています。台詞がやや冗長に感じる部分はあります。20分の枠内に収まるのか疑問のところがあるので、ブラッシュアップして削れる余地はまだあると思います。
■まとまっているけど、よくあるモチーフを組み合わせて構成しただけでは…というのが最初の印象です。■冒頭、「普通のコンビニ」のように思わせた方が効果的かなと思いました。タネの明かし方が少し乱暴に感じます。■おそらく、そういった「肌理の粗さ」をすっ飛ばしていくというか、強引に展開していくことが、実はこの作品の持ち味なのかなとも思ったのですが、その割りには「内面」を語り過ぎではないでしょうか。■そんな印象の中で、唯一「心臓マッサージ」の場面だけが光っているように思いました。

星くずロンリネス 【札幌】
『キンチョーム −I Wanna Be Your Boyfriend−』
作・演出:上田 龍成

夏目漱石はI LOVE YOUを「月が綺麗ですね」と訳したという。男は後輩の女の子に愛の告白をしようとしていたが、とてつもない緊張で上手くいかない。そこで使うのは、「キンチョーム」という緊張を解く薬。しかし、そこには、最悪の「罠」が…
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台本を読むと面白いのだが、上演でこの面白さを出すには相当の稽古と注意深い演出が必要。下手をすると受けない漫才っぽくなる危険性があると思う。
コメディタッチで、オモシロく読めました。思わず読みながら笑ってしまう箇所も。映像の部分もとても効果的ですが、できれば生で見せられないかと。。そこは今後の課題ととらえてください。キンチョームによって主人公がきちんとした会話ができない、という以上のコメディさ、演劇性が見れればもっとおもしろいかと。たとえばニールサイモンのもつひとのあたたかさ、郷土愛のようなものが。。。

「愛は言葉で伝えにくい」というテーマとサ行抜きという手法がぴったりとはまっており、上手い。しかし手法だけがあり、スミが愛を伝えられない心理的理由が不明瞭。サ行抜きの面白さで観客を引っ張れるのはせいぜい1ページで、それ以上は人物の心理の流れに連動したドラマ作りが必要。

幕切れは大変良い。仕掛けも面白いが、効果を出すためには演者の力量にかかりすぎている危険性はあります。字面で読んで面白いですが、上演したときにどこまでそれが再現できるか、計りかねる部分はあります。意図をうまく伝えられないことのギャップで笑いを生む構図ですが、アイデアは面白いものの、やや単調な面もあります。そこにある種の悲劇性がもっと浮かび上がれば多面性を感じさせるスパイスになった気がします。受け手側のリアクションももっと盛り込めたと思います。ここまでトンチンカンなことを言われて怒りださないのもやや不自然です。そこもうまく包括していればより完成度は高かったはずです。
■実は、キンチョームを使ってからが、あまりおもしろくない。いや、笑えます。それこそ漫才のように掛け合えば、ドッカンドッカンかもしれないです。ですが、読んでいて「この先どうなるんだ」という興味がすーっと退いてゆくのです。■コミュニケーション不全におちいってから、「思いを伝える」という目的が、いつの間にかどこかに消えてしまっている瞬間が散見されます。そうすると、物語が動かなくなる。そこがどうしても気になりました。ラストの落とし方が美しいが故に、余計にもったいないです。

劇団 欠陥工事 【札幌】
『機種変』
作・演出:ビル タテル

人が人を嵌めるのではありません。 人が人に嵌まるのです。 日常の中の学生の悪意の作品です。
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チャレンジした作品。アイディアがオリジナルなら高い評価を受けるかもしれない。
携帯の話のながセリフが延々と続きます。内面の吐露は劇的か。。。といえばどうだろう?たとえば泉鏡花の「婦系図」という作品では、主人公の男のラストシーンは長台詞で心象吐露しますが劇構造がたくみで「語るべき言葉」を実感する構造となっています。

チェルフィッチュの強い影響を感じるが模倣の粋を超えていない印象。もっと噛み砕いて冒涜して自分のものにして欲しい。エピソードの細部がきっちり書き込まれ、切なく興味深く読みました。チェルフィッチュの手法は、現代という時代を包括的に描くためのものだと思っているのですが、今作品は非常に狭い世界の物語で完結してしまった印象。

どのキャラクターがどの台詞を喋るのかはある程度規定した方がいいと思います。そこに狙いがあったとしても、実際に演出するときにうまく機能しない気がします。リアリティを出す意図でこの手法をとるのであれば、ト書きと登場人物を精査する必要があると思います。演者の力量によるところが大きいです。そこに頼り切りになってしまっているような印象も受けるので、そこも脚本だけで見たときに審査を難しくしてしまいます。
■どこかで見たような文体…が第一印象。まあ、あえてなのだとおもいますが。■では、この文体をどうして採用したのか?それが読み取れませんでした。■これは「内輪」の文体です。ちょっと特異ですけど内輪で語られる「自分語り」の積み重ねになっています。表面上のちょっと特異なところを取り除くと、ほとんど「自分」しかありません。利己的という意味ではなくて、「想う自分」「傷つく自分」「悩む自分」といった「肥大した自分」です。それで…と思うわけです。■物語も基本的にはない。「カラオケ」に行ったところで、ぐっと世界が立ち上がってくるのですが…でも、この場面は「男」が語るのか…などと考えているうちにするっと逃げるように終ってしまう。結局よくわからない。■内輪の文体でありながら、実は「外側」を描くというのだったらわかるのです。でも、この作品には「外側」もありません。

わんわんズ 【札幌】
『大きなどんぐりの木の下で』
作・演出:田中 春彦

広大な住宅地の中に、一本だけ、大きなドングリの木が生えている。そこに、男が1人、木にワナを張って、カブトムシを待ち構えている。もう1人、男がやってくる。彼もカブトムシを捕まえに来たという。このドングリの木にやってくるカブトムシはひと夏で一匹。どちらが捕まえるのか、争いが始まる…。
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登場人物のやりとり面白く劇的。
独特の間を生かした作品は、世界観がよくわかる。視覚的にはとても優れているのではないかと思います。大きなどんぐりの木があり、ブルーシートが引いてあり、ちゃぶ台、ポット。。。「にしむくさむらい」BY 別役実の影響を感じますが。。。。カブトムシが飛び立つところで終わってもよかったと。
古典的だが非常にしっかりとした劇構造を持っており読ませる。登場人物の目的、葛藤、二人の人間の出会いによるお互いの心情の変化など、教科書にしたいほどよく出来ている。千年カブトとカラスが登場人物として記載されているが、登場しないほうが観客の想像力に委ねた演劇的効果が出るのではないか。千年カブトというワクワクするネーミングなので、もうひとつ奇跡的なことが登場人物の間に起こって欲しい。
まるで昔話のようでした。お話自体に目新しいものはなく、ある種古典的な骨格に則って作られています。その為かキャラクターも記号的になってしまって、やや面白みに欠けます。お話とキャラクターがあまりにも安定しすぎていて、見ている側を揺さぶるような強度を持ち合わせていません。破綻しても構わないくらいの飛躍があればまた違ったと思います。そういった要素もあるはずなのに、変に綺麗に風呂敷をまとめてしまって、小さくまとまってしまったところがもったいないです。

■結末は片づけ過ぎの印象です。観る側の想像力に託して何か一つでも残していってくれるとよかったのでは。■あるいは「ちゃんちゃん」で終るなら、その処理の仕方がぬるい気がします。■理屈が次第にズレていって、終いには180度変わってしまうまで。そのズレてゆく角度の面白さをもっと突き詰めると作品に艶が出てくるように思いました。「そんなに細かく刻むのか」とか「そんな飛躍の仕方があるのか」みたいなことです。そういった意味で、視点が真っ直ぐすぎるかもしれません。

予選Bブロック

オトコカオル 【札幌】
『どみの』
作・演出:林 英貴

とある廃墟のある部屋。 面白半分で部屋探索する奴ら。 ただちょっと様子がおかしい。 何か大きなワナがしかけられているようだ。 気づいた頃にはもう遅い。 誰かを犠牲にしろ! 油断するな! 油断が一番のワナだ。
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出演者それぞれが個性的であり、表現力がある。短編演劇祭の舞台でどう戦うか見てみたい。
エンゲキか?の部分は正直弱いとは思います。映像を見るとパフォーマンスとしては、コメディタッチでみやすいし、クオリティも低くない、誠実な作品が規程できるのではないかと思います。出演者、ダンサーのスキルは高いです。

身体的に訓練を重ねた高い技量があり魅せるが、既存のテクニックの範囲を出ておらず創造性に欠ける。演劇の基本要素である、状況、ドラマ、対話が存在しておらず、レビューのような印象。短編演劇作品を創作するなら、登場人物の行動の連鎖が物語を紡ぐ身体言語を用いたドラマを意識してみてはどうか。

前半の演劇的要素の強いパフォーマンスの部分を見る限り、期待を抱かせるのに充分な要素がまだ足りてないように思います。後半のダンスパフォーマンスの部分の方が力強く、身体能力的には充分なポテンシャルを秘めていることに期待が持てます。身体表現と演劇的要素の強いコンテンポラリーダンスの部分もこれ以上のグレードがあれば、最終的な決め手にはなります。ただ、ここから探っていけばより面白い表現に辿り着けそうな予感を感じさせるものはあります。
■後半は、ダンス…ですね。かっこよかったですけど。■…うーん、どう評価していいのか正直分かりませんでした。突き詰めて「演劇とは何か」という話まで行くのも楽しそうなのですが、それはこの演劇祭の外でやればいいことのように思えるのでやめます。■ただ演劇は、セリフや演技といったわかりやすい要素を剥ぎ取って、さらに祝祭、物語…などなど取り除いていって、さあ何が残るんだというと…「想起」ってのがあるかなと今思ったのですが…で、どうなんでしょう、この作品は。■前半だけ(ダンスの前)をとってみても、私にはタイトル以上のもの、想起されるもの、立ち上がってくる感じがあまりありませんでした。

劇団アトリエ 【札幌】
『恩返しをしたい鶴と鬼退治に行きたい犬の話』
作・演出:小佐部 明広

夕暮れどき。足が罠にかかって身動きのできない鶴がいる。鶴は空を見上げながら物思いにふけっている。その横に、これまた罠にかかって身動きのできない犬がいる。犬はいびきをたてて眠っている。少しして犬が目覚める。鶴と犬は誰かを待っているらしい…。
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設定も構成もシンプル。話の流れが想定の範囲内なのがやや残念。
一見昔話風ですがブラックコメディですね。すきま風が吹き付けるような独特の劇世界は好きです。緻密さも感じます。ベケットの「ゴドー」ウラジミール、エストラゴンのようにも感じましたが「存在の重さ」みたいなものを感じました。清水邦夫さんの「署名人」という、明治時代に志士が牢獄にいる作品がありますが、雰囲気が似ているかもしれない。わたしはこの作品は「署名人」につながる名作かもと思います。一方作品としては淡々として終わってしまう恐れもあります。

罠というテーマを非常に上手く生かしている。「ゴドーを待ちながら」を下敷きに、作者独特の視点と現代を生きる私たちに強いリアリティがある物語を描き出して切なく、大変面白く読みました。ラストの犬と鶴の時代が違うという部分が作者の強いオリジナリティだと思うが、意図が不明。

ある種独特で全体的に一抹の寂しさが漂っています。そのトーンは嫌いではないです。基本的に鶴と犬だけでお話が進行しますが、もう一声、仕掛けが欲しかったです。結末もおおよそ定まった場所に落ち着いた感じがあり、やはりそこにも物足りなさを感じてしまいます。気になるのは、犬と鶴の生きている時代、時空が違うようなのですが、そこをもっと掘り下げて行けば、一種の観念的なSFとしても成立した可能性もあったと思います。そこは興味深かったです。
■テーマの「罠」に直球勝負したことに好感。でも、もっとこだわってよかったと思います。■作品世界の情報をぶん投げている感じが、いいです。しかし、会話に集中してしまって、二人の関係がほぼ並列のまま動かないのが、私には息苦しく感じました。どうしても自分で説明するしかなくなってくる。構図としてもっと動かすことができると、おもしろいように思えます。■ラスト。その微妙な認識はいいと思うのですが、その「微妙さ」を描くとすると、まだ工夫がいるのではとも思いました。

words of hearts 【札幌】
『それはだれの責任?』
作・演出:町田 誠也

決して人を陥れようとするだけではないと思うのです。ちょっとしたきっかけを与えるだったり、「空気を読んで!!」と願ったり。 なんとかして2人にわかってもらおうとする行動だって「ワナ」だと思うのです。
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いろいろ含んでいる内容だが、観客に衝撃を与えるには弱いと思う。
舞台上でリフティングしながら会話するなど、劇作品の見せ方はとても面白そうです。リズム感がよいのでとてもよみやすいです。全体的にすんなりストーリーがはいってきます。「妊娠」からのシーンで、ややテンポが途絶え「おれ死んでない」から収束しているように思いますがそこはどう見せるのかが気になります。
演劇的手法と物語の内容が一致しており、完成度が高い。責任というテーマを紙コップの質感、リフティングという動詞に表象しており、象徴的手法の完成度が非常に高い。が、しかけを見せて終わり、という印象。読後に不快感だけが残る。もうひとつグロテスクに突き抜けて掘り下げるか、劇的に反転する演劇的ドラマのもうひと展開が欲しい。
紙コップのリフティングというアイデアが仕掛けとして、実際に上演したときにうまく機能するか疑問です。それに、このアイデアもどこか表層的な気がします。扱っている事象を考えると、もっと人間の醜い部分やエゴに切り込んでいっても良かったと思います。割と表面をすくっただけのような気はします。とは言え、全体的に構成としは巧く、綺麗に収まっています。やや俯瞰しているような視点ですが、もっと色んな感情を剥き出しにした方がより心動く作品になったように思います。
■アイディアは悪くないと思います。「謎解き」によって物語を引っ張り緊張感を持続させるのも悪くないと思います。ただ、それしかないとも言えます。■私にはセリフの「ゆるさ」が気になりました。もちろんそれは意図したところなのでしょうけど、表面的にはゆるく思える会話でも、その「場」を支えるテンションは必要だと思います。それを生み出すのは語り口だったり、会話のリズムだったり、その中に現れる固有名詞のチョイスだったりするのでしょうが、そういったディテールまで書ききれていないように思えます。■特に謎が明かされたあと。物語の推進力が低下し、そこに淀みが生まれる。その「淀み」を丁寧に描いて欲しいと思いました。

虫の息 【東京】
『落とし罠』
作・演出:杉 香苗

罠は誰かが誰かをはめるために仕掛けるものです。仕掛ける人と、仕掛けられる人がいないと成立しないものです。 この劇は、ただの穴を罠である「落とし穴」であると決めつけた初対面の二人が、穴を巡って言い合いをする話。 誰かが誰かをはめるための罠が、誰かと誰かをつなげる道具になる話です。
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このような少し不条理なのは好きです。20分にはまだ余裕がありそう、もう少しやり取りを入れてほしい。
「ワナ」という言葉の持つ「甘さ」「危険さ」「不安定さ」がとても描かれた作品ではないかと思います。洗練された作品であるともいえます。男と女のクールな距離感は面白いです。台から転落する感覚や、女性が歩行するスタイルはベケットとも、フィリップジャンティともとれるかも。個人的にはフランスのダンサーのフィリップ・ドゥクフレのサーカスとsコンテンポラリーダンスが混じったような作品にしていただけたらとてもうれしいです。

罠というモチーフを最も上手に生かしている。文章の中の点の付けかたが面白い。そこに音楽的法則が加わったものが見てみたい。「ああ呪いの神様、あの人が、ほんのちょっとでいいから私より不幸でありますように!」など、人間の確信に迫ったドキッとさせる光る台詞がある。穴と、いう言葉と罠という言葉に若干のイメージの違いがあるがそれが混在してしまって全体がぼやけた感じ。罠を中心にした男女のなぞなぞ遊びのような戯れが、もう一歩、男と女の関係性の核心や不思議ワールドに突入する様まで見たい。

穴に男がいることの意味。罠として機能しなかったことに苛立を覚える女。穴の上の女と穴の中の男の対比。メタファーとしても興味深く、非常に文学的な匂いがします。客観視と自己言及、考察の上での男女の会話がうまく作用していて、非常によく練られた脚本であると思います。台詞の音遊びで、演出に様々な仕掛けを施せそうな余地を感じさせます。そこがうまくはまればかなり面白いものになる気がします。全体として観念的なものではあるので、台詞の応酬が単調になってしまうと一気に退屈になってしまう危険性も孕んでいます。それでも見たいと思わせる強度はあります。
■この作品には、状況と認識のスリリングな関係があります。文体もそれに則したものだと思います。■ただ、ラストにおいて、その手がかりを手放してしまった印象があります。もしかすると、男と女が同じ匂いを感じさせているせいかもしれません。物語の始めから。だから男が女に共鳴しはじめても、あまりスリリングじゃない。そんなことを思いました。■全エントリー作品の中で、最も「罠」に深みを与えた作品として読みました。

決勝

短編演劇祭2013チャンピオン
yhs

『春よ来いマジで本当に頼むから』
作・演出 : 南参

夏が過ぎれば秋が来て、秋が過ぎれば冬になり、冬が過ぎれば春が来る。いや待て本当か。 都市伝説じゃないのか。 自分のとこだけ来ないけど。 何か手続きしたら来るの? 儀式? 何? とりあえず言う。 春よ来い。

第19回劇作家協会新人戯曲賞 受賞作家
刈馬演劇設計社

『スリーピング・ダーティー』
作・演出 : 刈馬カオス

女は眠る。1日の半分を、夢の中で過ごす。「わからなくなるんです。 今が夢なのか現実なのか」。 そんな女をめぐって、とある事件が起きた。 はたして事件は、夢でのできごとだろうか、現実でのできごとだろうか。

ワークショップ

今日から始まる演劇体験! スキルアップからお試しまで、まずはお気軽に♪

「観る側から演じる側へ」そんな体験ができるのがワークショップ! 演技論からパフォーマンスまで、色々挑戦してみませんか?

撮影:堀川高志

杉原邦生「ハムレット」 演劇ワークショップ
7月22日[火]・25日[金]
18:00〜20:00

講師 杉原邦生[KUNIO/木ノ下歌舞伎] 演出家、舞台美術家
参加費 2,000円(2日分。見学の場合も同額)※1日のみ参加の場合も2,000円。
会場 研修室401  対象 演技、舞台演出に興味がある方(初心者可)
定員 20名
京都で活躍する「木ノ下歌舞伎」演出家の杉原邦生が、「ハムレット」等の既成台本の一部を使用し、ポップな切り口から、古典戯曲の演技・舞台演出ワークショップをおこないます。

初心者も未経験者も受けて楽しいワークショップ
8月2日[土]・3日[日]
13:00〜17:00

講師 齊藤雅彰 [教文演劇フェスティバル実行委員長]
参加費 1,000円  会場 研修室401  対象 初心者歓迎
定員 12名

演劇に興味がある未経験者、初心者の皆様、このワークショップを通して、演劇の面白さを体験し、さらにより深く全身で演劇を楽しんでください。

教文演劇フェスティバル2014 小ホール公演


2012年KUNIO10「更地」
撮影:清水俊洋

杉原邦生 演出
KUNIO11『ハムレット』

7月24日[木]
19:00 (18:45開場)

原作 ウィリアム・シェイクスピア
演出 杉原邦生
出演 内田淳子、鍛冶直人 ほか
料金 全席自由 2,500円
      教文ホールメイト、KitaraClub会員 2,000円
古典を新たな切り口で上演する“木ノ下歌舞伎”のメンバーでもある演出家・杉原邦生が、自ら主宰するKUNIOで「ハムレット」を大胆に演出する。

舞台朗読への挑戦 partU
北からはじまる物語

8月28日[木]
14:00 (13:30開場)

作・演出 宮下郁子
出演 ドラマチックリーディンググループ「蔵」
料金 2,000円(当日2,500円)
      教文ホールメイト 1,500円、高校生以下 1,000円(前売、当日とも)
問合せ ドラマチックリーディンググループ「蔵」 090-8277-9366
渡辺淳一作「冬の花火」は乳癌で夭折した帯広出身の歌人中城ふみ子を描く。 新井満(大沼在住)作の3.11の詩「希望の木」。 千年前の発音で語る源氏物語「夕顔」は道内初演。 光と音と語りが溢れる北の物語群。

アフターパーティー!

新企画、アフターパーティーを開催!

教文演劇祭の出場チームや審査員、演劇フェスティバル実行委員やスタッフなどが一堂に会す立食パーティーです。審査員や参加団体のここでしか聞けないウラ話も!演フェス参加者だけでなく、一般の方の参加も大歓迎です。ぜひお気軽にご参加下さい!

[日時]
8月17日[日] 19:30 start(19:00から受付)

[会場]
ロイトン札幌 パーティスペース キャッスル(1F)

札幌市中央区北1条西11-1
※札幌市教育文化会館から徒歩2分

[料金]
3,000円(短編演劇祭チケット所持者 2,500円)

2Drink 軽食付。
※当日会場にてお支払いください。

◎問い合わせ
札幌市教育文化会館事業課(TEL 011-271-5822)

札幌国際芸術祭2014
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